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コロナ禍におけるモンゴルの現状

モンゴルにおける新型コロナウイルス症例状況 

2020.04.30

新型コロナウイルス感染の終息が見えないなか、今一体モンゴルではどのような生活を送っているのか、現地の様子をまとめました。

【できること】

①外出(マスクは必須)

②出勤(オフィスワークの場合、在宅勤務を実施している会社もあり)

③外食(夜22時にクローズ)

④買い物(品物は十分にあります)

【常時できないこと】

①国外へ出る(国際便は臨時のチャーター便以外全便停止)

②クラブ・カラオケ等での夜遊び

③映画館など娯楽施設の利用

④1部屋あたり3人以上が集まる会議

⑤教室での授業(代わりに国営TV放送を利用したオンライン授業を実施)

⑥イベント・集会の開催

【たまにできなくなること】

・県外へ出る(急に県境を閉じて通行止めにすることがある)

【その他】

・マスクを着けずに外出していたら罰金150,000MNT(約6,000円)

・15歳以下の子どもを持つ母親は、給与の減額無しで在宅もしくは時短勤務を認める。

【モンゴルでマスクは買えるの?】

買えます。店頭以外にもFB上で個人的に販売している人もいるようです。

【スーパーに物はあるの?】

こんな感じで、物は十分あります。

【モンゴルでの感染状況は?】

4月30日時点で感染者は38名、全員が病院に隔離されています。この38名は全員が国外で感染してモンゴルに戻ってきた人達なので、市中感染者はまだ1人も確認されていません。

【国外にいるモンゴル人はモンゴルに戻ってこれないの?】

国外にいる帰国希望のモンゴル人を国に戻すため、モンゴル政府が臨時のチャーター便を飛ばしています。逆にモンゴルから日本に帰国希望の日本人も、このチャーター便を利用して日本に帰国しています。ただし、日本からモンゴルに戻るチャーター便の利用はモンゴル人が対象となるため、基本的に外国人は搭乗することができません。(モンゴル人の家族がいる場合等は例外です。)

【国外からモンゴルに到着したらすぐに自宅に戻れるの?】

モンゴルに到着後は、3週間の隔離が義務付けられており、複数回にわたりPCR検査が行われます。隔離先は感染症センター、軍病院のほか、市内のホテルが利用されています。隔離期間が終わった後は自宅にて14日間の自主隔離が必要で、抜き打ちでちゃんと自宅にいるかどうかのチェックも行われるそうです。

【感染爆発が起きた中国・ロシアに挟まれているのに、どうしてこんなに感染者が少ないの?】

まず何よりも、モンゴル政府の動きがものすごく早かったことです。モンゴルは人口が320万人と少なく、また、医療水準が低いため、感染爆発が起きてしまった場合対応しきれないことは明らかでした。モンゴル政府は「国民を絶対に死なせない」ために、2月末から国境封鎖、国際線の停止、集会・イベントの禁止、学級閉鎖等、次々と策を講じてコロナの国内侵入を防ぎました。

そして、この政府のスピーディーな動きに国民が一丸となって連携したことがポイントです。早い時期から対策を打ったため、国民への経済的・心理的な影響は積算しています。自由を愛するモンゴル人が、それでも右へ倣えで政府の号令に従ったのはなぜか。それは、モンゴルが旧社会主義国であることも影響しているはずですが、何よりも政府が最初からクリアな指針を示し、本気で対策に取り組んでいることが国民に伝わったからだと思います。「モンゴルは人が少ない、感染したら治療ができない、だから1人も国内感染者を出さずに乗り切る。」このブレない指針のもと行動している結果、モンゴルは未だに市中感染者ゼロという奇跡的な状況にあります。

以上、現時点でのモンゴルの様子でした。

尚、国際線の停止やイベント開催の禁止措置は5月31日まで、教育機関の閉鎖は8月31日まで延長が決定したので、関係者の皆様はご注意下さい。

この記事を書いた人write @ 鹿野 詩織